「リメディアル教育」の定義
日本リメディアル教育学会(以下,JADE)による「リメディアル教育」概念の定義は,以下の通りです。
- (1)
- 「リメディアル教育」=「学習・学修支援」
- (2)
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大学院生を含む高等教育機関に学ぶ全ての学生と入学を予定している高校生や学習者に対して,必要に応じてカレッジワークに係る支援を高等教育機関側が組織的・個別に提供する営み,またその科目・プログラム・サービスの総称
<日本リメディアル教育学会第15回全国大会・総会にて承認:2019年8月27日>
(1)の根拠ですが,アメリカの高等教育場面での学習・学修支援にあたるターム(用語)は,developmental education と learning assistance (JADEの英語表記は,the Japan Association for Developmental Education)だからです。
JADEでは,「学習」は「学修」を包摂する広い概念と捉えます。が,「学習・学修支援」と併記した理由は,「学習」と「学修」に関する確とした概念区分が高等教育場面ではなされていないからです。
(2)ですが,定義の「必要に応じて」の意味のなかに,支援対象とする学生として①基礎学力向上を目指す者のみならず,②カレッジレベルの学力はあるが更にそれを伸ばそうとする者,が含まれています。加えて③卒業生も活かすことのできるスキル(キャリア系教育支援も含む)の習得も織り込まれています。
なお,JADEの研究や教育実践には,「単位非認定」の支援・科目はもちろんのこと,「単位認定」のそれらにも関わる営みが含まれています。